このたび、間欠補充型血液透析濾過(I-HDF)研究会の大会長を拝命いたしました。研究会が誕生してから8年になる第9回大会は、令和7年12月14日(日)、例年と同じソラシティカンファレンスセンター(東京・お茶の水)において開催の予定です。何卒宜しくご協力のほど、お願い申し上げます。
さて、わが国におけるHDFの患者数は2023年末現在195,965人であり、これは維持透析患者全体の実に58.5%を数えます。I-HDFは日本透析医学会(JSDT)で初めて患者数が集計された2015 年には3,540名でしたが、2023年末の患者数は当初の17倍に当たる60,135人と報告されています。すなわち、今やHDFはon-line HDFが68.7%、I-HDFが30.7%の2つに大別できるところまで来ています。加えて、I-HDFの患者はHD患者と同じ年齢・透析歴を持ちながら、JSDTの統計データを利用した解析によれば、生命予後に優れることが報告されています。換言すれば、特別な回路を必要としない I-HDF療法はon-line HDFと並ぶ標準治療になったといっても過言ではありません。
今年の学術集会では、血圧が安定する治療としてのI-HDFに加え、on-line HDFに匹敵、あるいはこれを凌駕するシステムのご提案を指向しています。そのためのツールとして、既に、プログラム除水、ホットショット法に加えて、AIを有効に利用する方法も提案されていますが、未だ、これらを有機的かつ包括的に利用する臨床的な方法は確立されていません。今年の研究会がそのための布石、或いは起爆剤になるようなプログラムを、現在研究会事務局では、鋭意検討しています。多くの医師・臨床工学技士・看護師をはじめとする臨床家はもちろん、企業研究者にも議論に加わっていただき、既にできていること、法律の整備だけが後回しになっている新技術などについて、知識の整理と活発な意見交換ができる研究会を目指してまいります。
多くの皆様のご参加をお待ちしております。
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